中京大学 教養講座

移民問題への答えを求めて。

 人手不足と少子化に直面する日本では、今後、積極的に外国人労働者を受け入れるべきでしょうか?
 経済成長という点から長期的にみれば、間違いなく受け入れた方が良いでしょう。日本はもとより、アジアの経済にとってプラスだと考えられます。しかし、海外から文化も違う、バックグランドも異なる人たちを受け入れることは、さまざまな別の効果も日本社会にもたらします。経済成長維持と引き換えに失うものに対しても、経済学からの解答を出さなくてはなりません。その際、大切なことは、それが「理論」と「実証」に裏付けられた「学問」的なものでなければならないことです。

欧州の問題は、日本の問題。

 今、怒涛の難民・移民の流入に直面する欧州では、多くの経済学者が、EUの存亡をかけて、この問題と格闘しています。私は2010年にエラスムス・マンダス※1の研究者向け奨学金を得て、イタリアの国立バーリ大学で、まさにこの「国際労働移動」の問題について、現地の研究者たちと共同研究してきました。
 欧州では今も、人手不足を補うために自分たちに都合のいい数だけを受け入れたい国や、技術をもたない移民は受け入れたくない国など、異なる移民政策をとる国が同居し、しかも互いの労働市場を自由化しようとしています。非常に混乱した中にあると言えます。しかし、それは日本にとって、遠い国の話ではありません。日本はすでに、TPP(環太平洋経済パートナーシップ協定)に代表されるような多国間との経済協定や貿易協定を結び、さらに拡大させようとしています。もともとは市場統合からスタートし、投資や人の移動の自由化にまで発展してきたEUのように、日本にとっても国際的な人の移動問題は避けて通ることはできません。

全員博士のメリットとは…

 中京大学経済学部は、イタリア・バーリ大学経済学部との研究交流を継続、発展させてきました。研究者の相互訪問を重ね、共同研究による成果も続々誕生しています。実は、専任教員全員が博士の経済学部は全国私大でも中京大学のみです※2。20人はそれぞれ専門分野が異なり、幅広い観点から日本経済と、それに影響を与える世界経済が抱える課題とその解決策を見出そうと、研究を続けています。
 全専任教員が、高い研究力の証である「博士」であることは、ここに学ぶ学生にとっても大きなメリットと言えるでしょう。アカデミックな世界で最先端の研究を続けている教員だからこそ、広い視点にたった最新のトピックを提供できます。その確かな実力を背景とした教育力にも、絶対の自信をもっています。あきらめずに苦しい研究を続ける姿勢から、学生が学ぶものも多いでしょう。
 ここでは教員も日々、経済という捉えどころの難しい巨大な謎に、1本のペンを武器として戦っています。経済学が未来を幸福に導くものであることを信じて。

  • ※1 エラスムス・マンダス
    ベルギー・アントワープ大学に本部を置き、ヨーロッパ7大学が運営にかかわる、大学院生や研究者への研究助成を遂行する組織。
  • ※2「大学ランキング2018年版(朝日新聞出版)」による。

Profile

中京大学経済学部 教授 近藤 健児

京都大学経済学部卒業後、高等学校教員として勤務。その後、名古屋市立大学大学院経済学研究科博士課程に進学し、2000年博士号を取得。同年、中京大学経済学部教授に就任し、現在に至る。専門は国際経済学。2010年にエラスムス奨学金を獲得し、イタリアの国立バーリ大学で現地教授陣と国際労働移動等に関する共同研究を行う。これをきっかけに中京大学経済学部は、バーリ大経済数学学科と学術交流協定を結び、現在も共同研究を継続、発展させている。

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