電気電子工学科

学科概要

電気電子工学×情報工学を学ぶ

機械・電気・情報技術を融合させた「制御・メカトロニクス」、電子回路・デジタル回路、半導体の設計と応用を目的とする「エレクトロニクス」、次世代ネットワークや無線通信技術の開発を目指す「通信」の3つの履修モデルを設定しています。
情報工学や実験を通した工学の基礎を学んだ上で、製作実習・プロジェクト研究へ挑戦し、急速に進化する電気電子産業の最前線で活躍できる知識と実践力を身につけます。

Pickup 研究

ハードとソフトの知見を併せ高度な情報化社会の実現を。

スマートフォンや家電などの電化製品すべてに組み込まれているIC(集積回路)※。ロボット開発にも不可欠なICは、ロボットの高性能化に伴い、回路を複雑に組むことで処理速度を向上させたVLSI(超大規模集積回路)に進化しており、その設計・開発に取り組むのが磯教授だ。しかし高性能化するVLSIも、現在直面している課題は、機械などのハードウェアを作る技術と、アプリなどのソフトウェアを作り動かす技術、その両方を持つ技術者の不足だ。例えばVLSIを搭載したロボットも、ハードとソフトの両方で性能を活かしきれなければ、スムーズに動くことはできない。磯教授の研究室では、この課題を解消すべく、情報系の技術にも重点を置き、ハードとソフトの両方を熟知した人材を育成している。

※IC(集積回路)とは、トランジスタやダイオード、抵抗、コンデンサーなどの電子部品を1つの半導体チップや基板の上に集積し、金属薄膜で配線して作る電子回路。スマホや電化製品の高性能化には欠かせないものとなっている。

未来の研究者たちへ

すべての電化製品に必要な電気電子工学の技術。まだAIが進出していない国はあっても、電気が使われていない国はありません。スマート家電や電気自動車など、電気を扱う分野すべてで必要とされているこの技術は、新たなイノベーションが生まれる上で、必要不可欠な分野と言えるでしょう。

工学部 電気電子工学科 システム設計研究室 磯 直行教授

【所属学生研究テーマ】

  • ・統合開発環境を用いた小型携帯ゲーム機の設計開発におけるソフトウェアの機能拡張
  • ・ハードウェア・ソフトウェア協調設計によるFPGAでCPUを実現したSDカード格納データロガーの開発
  • ・大規模LED表示装置の回路設計における信号線削減とその動作速度の比較

研究室紹介

知的情報処理研究室

青森 久

学歴:
上智大学大学院 理工学研究科 博士(工学)
職歴:
東京理科大学 理工学部 嘱託助教

生体システムにヒントを得た情報処理の研究

生体の情報処理機構は、現在のコンピュータでは実現が困難な高度で複雑な処理を容易に行う能力を持っている。この優れた情報処理機構をコンピュータ上に実現できれば、コンピュータは我々の生活を更に便利にしてくれるツールになると考えられる。しかし、この情報処理機構がどのように知的で柔軟な情報処理を行っているのか、その原理はほとんど明らかにされていない。本研究室では、脳や生体にヒントを得た情報処理機構を工学的に実現する研究だけではなく、神経回路網のダイナミクスの解明や網膜系情報処理機構のモデル化を理論・計算機シミュレーションなどを通して多角的に研究を進めている。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#aomori

ニューロダイナミクスによるカラリゼーション

システム設計研究室

磯 直行

学歴:
名古屋大学大学院 工学研究科 博士(工学)
職歴:
名古屋大学 工学部 助手

VLSI設計とCADアルゴリズム

本研究室では、VLSI(超大規模集積回路)の設計とCADアルゴリズムに関する研究を展開。回路設計はハードウェア設計のように思えるが、最近ではソフトウェアも駆使して設計されている。そのため、今後の本格的マルチメディア時代を支える重要な技術として、CADを使った電子回路とVLSIを使ったシステム設計を実際に行う。また、大学やコンピュータ演習室のネットワークをデザインしたり、インターネットを利用したシステム開発も行い、ネットワークエンジニアやIoT開発エンジニアを目指すことができる。資格取得にも力を入れ、IT系資格や情報技術者試験等のサポートも行っている。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#iso

研究室で設計・開発した画像処理用LSIのチップ
顕微鏡写真

断続システム論研究室

髙坂 拓司

学歴:
徳島大学大学院 工学研究科 博士(工学)
職歴:
大分大学 理工学部 准教授

分野横断的な断続システムの理解

任意の断続動作特性を有し、複数のシステムがその動作によって切り替わる問題(断続システム)を対象に、この種の問題の分野横断的な体系化、定性的性質を検討可能とする数値解析手法の確立およびその応用を目指している。例えば、スイッチング素子を含む電気回路、衝突や摩擦を有する機械振動は工学分野にみられる断続システムの典型例である。そこで、高周波数で動作する電力変換回路の高効率化やスイッチング動作に伴うノイズが回路におよぼす影響の包括的解明、工具に周期的な外力を与え加工物を切削する切削法の仕上げ面粗さの改善やびびり振動の予兆検出等にも取り組んでいる。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#kousaka

断続システムの例

光エレクトロニクス研究室

須田 潤

学歴:
金沢大学大学院 自然科学研究科 博士(理学)
職歴:
独立行政法人 国立高専機構 教授

レーザー分光によるパワー半導体の特性解明

現在、SiCを用いたパワーデバイスは低炭素社会実現に向けたキーデバイスとして注目され、電力変換用MOSFETは低損失かつ高速スイッチング特性を持つインバータとして期待されている。 これらデバイスは200℃以上の高温で動作させるため、局所的な応力は闘値変動や機械的な剥離につながり信頼性低下の要因になる。そのため、熱を含めた電極付SiC半導体表面の応力変化を知る必要がある。本研究室では、高温状態のパワー半導体の応力変化や電子物性を調べることを目的として、顕微レーザーラマン分光実験やスーパーコンピュータによる大規模シミュレーションに取り組む。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#suda

顕微レーザーラマン分光による
電極付SiC結晶の残留応力分布

量子効果デバイス研究室

田口 博久

学歴:
東京理科大学大学院 博士(工学)
職歴:
東京理科大学 助教

量子効果を利用した超高速応答デバイスの研究

量子効果を利用した超高速応答デバイスに関する基礎研究を行っている。理論計算を用いた層構造の決定から、ナノテクノロジーを駆使した微細デバイスの試作、試作デバイスの性能評価実感まで、一連のデバイス開発研究を行い、超高速応答デバイスの実現を目指す。更に、量子効果デバイスとして光応答素子にも注目する。研究対象のMetal - semiconductor - metal - PhotoDetectors(MSM-PD)は、次々世代超高速通信デバイスとして実用化が期待されているデバイスだが、半導体ヘテロ構造に関してはまだ研究が進んでいない。半導体ヘテロ構造とナノテクノロジーの組み合わせにより、受光素子の高速化に関する研究を進めていく。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#taguchi

試作したMSM-PD外観と微細構造
電極幅/間隔は0.1μm/0.2μm

計算知能研究室

Pitoyo Peter Hartono

学歴:
早稲田大学大学院 理工学研究科 博士(工学)
職歴:
公立はこだて未来大学 准教授

機械学習と自己組織化メカニズムによるロボットの構築

高齢化や人口減少に伴い、日常的にロボットの普及が予想される中、複雑で動的な環境下でさまざまなタスクを実行できるロボットが求められている。本研究室では、機械学習と自己組織化メカニズムによる柔軟なロボットの開発技術の研究を行っている。例えば、さまざまな形状を持つロボット(図)を柔軟に構築できるロボットモジュールの開発を行う。ロボットの実時間学習の研究では、実世界タスクに対し、ロボットが自ら行動戦略を獲得できる学習アルゴリズムの開発を行う。また、学習や自己組織化によって生成されたロボットやその行動を直観的に人間に理解できるための可視化手法の研究も行っている。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#pitoyo

さまざまな形状を持つロボット

電気宇宙工学研究室

村中 崇信

学歴:
九州大学大学院 総合理工学府 博士(工学)
職歴:
JAXA宇宙航空研究開発機構 情報・計算工学センター招聘研究員

人工衛星・宇宙探査機の信頼性向上に関する技術開発

本研究室では、プラズマ解析技術を応用し、数値シミュレーションと地上実験により、人工衛星・宇宙探査機の電気的信頼性向上に関する技術開発を行っている。現在、以下の2つの課題を中心に研究活動を展開。①人工衛星の発電と電力供給に関する信頼性:人工衛星と宇宙プラズマの電気的相互作用を解析し、人工衛星の発電と電力供給の安全性を向上させる機体設計等を提言する。②宇宙探査機に搭載するプラズマロケットの信頼性:プラズマロケットから放出されるプラズマと探査機本体との相互作用を解析することで、電子機器や熱制御材の性能劣化の問題へのリスク評価を行い、プラズマロケット搭載衛星の信頼性向上に貢献する。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#muranaka

プラズマロケット搭載衛星表面に流入する
イオンビームの解析結果

システム制御研究室

平名 計在

学歴:
名古屋大学大学院 工学研究科 博士(工学)

HDSの実システムへの適用

離散値と連続値が混在し、相互作用する動的システムをハイブリッドダイナミカルシステム(HDS)という。実システムにおいて、HDSとして振舞うシステムは数多く存在するが、これらを扱う際には、離散値・連続値を別々に扱う従来の枠組みではなく、同時に扱うことで制御性能の向上が図れると考えられる。しかし、実システムにHDSを適用する際には計算機の計算能力を必要とすることが多く、実際に適用した例はあまり多くない。本研究室では、HDSと捉えることができる実システムに対し、実際にHDSを適用することで制御性能を向上させるための研究および、計算能力をそれほど必要としない手法の開発を目指している。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#hirana

HDSの例(部屋の温度制御)

数理最適化研究室

藤田 実沙

学歴:
東京理科大学大学院 工学研究科 博士(工学)
職歴:
日本学術振興会特別研究員(DC2)

組合せ最適化問題に対する効率的な解法の研究

有限な解集合のなかから目的を最も満足する解を発見する問題を組合せ最適化問題という。例えば、風力発電機の設置候補地が30箇所あり、そのうち20箇所に風力発電機を設置する時、どの20箇所を選べばコストパフォーマンスが最大になるか?といった問題が組合せ最適化問題である。組合せ最適化問題はコンピュータにとって解き辛い問題の一つであり、効率的な解法の開発が望まれている。本研究室では、数値実験を中心とし、現実世界に存在するさまざまな組合せ最適化問題に対する効率的な解法の開発を目指している。

教員ページURL:

https://www.chukyo-u.ac.jp/educate/secu/electric/professor.html#fujita

組合せ最適化問題の一つであるグラフ的シュタイナー木問題

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