Point1|基礎教育の充実
革新的技術に対応できる柔軟な「応用力」を身につけるため、「広範な工学基礎の修得」を重視。各学科で必要とされる基礎物理学と数学、更にプログラミングなどの徹底理解からスタートし、幅広い工学基礎を横断的に学ぶカリキュラムを配置。また、各学年で進級必要単位を設定し、確実に基礎を積み上げていきます。
Point2|体験型教育
「実験」と「演習」を中心とした体験型実習を取り入れ、発見や成功の喜びを通じて工学への興味と学習意欲を引き出します。更に、実際の課題の解決を目標に、企業等と連携してチームで研究・開発を行うプロジェクト研究や産官学連携を通して高度な専門性と実践力を獲得していきます。
Point3|大学院進学による6年一貫教育
技術を複合化し、更に高度な技術へとつなげる力を獲得するため、大学院への進学を推奨しています。学部・研究科の6年間で一貫して展開する教育体制を確立することで、産業技術が成熟期を迎えた社会で求められる専門知識と技術を兼ね備えた人材を育成していきます。
Point4|産官学連携プロジェクト
中京大学では、企業からの委託研究や共同開発、長期にわたる国家プロジェクトへも積極的に参画。その研究開発過程で学生が関わる機会を拡大し、実社会に求められる経験値や主体性の醸成を図っています。
研究事例1 機械システム工学科
人間のように考え、人間と共に進化する未来のロボットを開発。
人間とロボットが互いに助け合い、共に発展していく未来社会に期待が集まっています。橋本研究室と秋月研究室による連携研究グループ(ASMI: Advanced Sensing & Machine Intelligence)では、2015年度より、産総 研と共にNEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」に参画しています。モノの名前だけでなく「機能」を認識できる高度な人工知能を開発し、スプーンなどの道具の使い方を自ら考えて行動するロボットや、簡単な英文レシピを入力するだけでお茶をたてることができるロボット、また、人間の数秒後の行動を予測して先回りできる協働ロボットなどへの展開を図っています。本プロジェクトは、中京大学の戦略的研究事業にも選定され、研究成果は企業との共同研究にも活かされています。
研究事例2 電気電子工学科
イオン推進器の逆流イオンによる宇宙機表面材料損耗評価手法の開発。
JAXAによって開発・運用されてきた小惑星探査機「はやぶさ2」。その主推進器であるイオン推進器(イオンロケット)運転時に、探査機の表面材料の損耗が計測されており、この要因は推進器近傍から逆流する一部イオンの衝突によるものと予想されています。そこで本研究グループでは、JAXAが所有する大型実験装置をつかって、「はやぶさ2」搭載と同型のイオン推進器を作動させ、逆流イオンの諸量測定結果から損耗量を算出する実験的手法を新たに開発。「はやぶさ2」が宇宙空間で実測した損耗現象の解明を進めています。この研究成果は、今後開発されるイオン推進器を搭載する宇宙探査機の設計に活用されることが期待されています。本研究に参加する学生は、国内最先端の宇宙開発の現場で学びながら、多くの研究者達との交流を通じて自身の技術や知識を拡充させていきます。
JAXAで実施したイオン推進器の逆流イオン諸量測定実験の様子
研究事例3 情報工学科
ナショナルデータベースを活用した医用画像認識の
実利用プロジェクト。
医療ビッグデータの利活用を目的とした日本医療研究開発機構のプロジェクトに参画しています。これは医学系の学会が収集した匿名化医療データを深層学習技術により解析し、診断や治療に役立つ画像認識システムを構築するプロジェクトです。本研究室では、日本超音波医学会や京都大学と協力して腹部や乳腺の腫瘍を実時間検出するためのシステムを構築しています。腹部については医療機器認定を目指すプロジェクトが開始しています。実社会とつながる共同研究の実施においては、定期的に外部からの評価を受けることができ、良い結果には喜び、残された課題があればそれを解決する方法の議論が熱くなります。プロジェクトを通じ、問題の本質を見つける能力、問題を解決する方法を見つける能力、人と議論する能力、成果を発信する能力の修得を目指しています。
超音波検査を対象とした腫瘍検出システム
研究事例4 メディア工学科
市民参加型建築プランにおけるタブレットでの
ビジュアライズ手法を開発。
近年の公共建築では、まちづくりの一環として住民参加型のワークショップを経て設計などが行われています。しかし、参加される地域の方は建築に詳しいわけではないため、図面を提示されてもなかなか実感がわかないという課題があります。そこで本研究では、タブレットとVRアプリの技術を用いて建築予定の建物を可視化する手法を開発。松阪市立鎌田中学校建設のワークショップにて、参加した地域の方々が、自分達の意見が取り入れられた学校の様子を目で見て確認できる仕組みを提供しました。本研究では、作るだけで終わらず「使ってもらう」場面を想定することが求められます。使ってもらい、その反応を知ることで、PDCAサイクルを回すモチベーション向上にもつながり、より現実的な学びに活かしていくことができるでしょう。