ニュース

2023.09.26  イベント

スポーツ科学部/加納助教 
優秀論文賞受賞
日本幼少児健康教育学会第42回大会

 日本幼少児健康教育学会第42回大会(秋季:広島大会)が9月9日から10日にかけて開催され、スポーツ科学部の加納裕久助教が、2022年度「日本幼少児健康教育学会」優秀論文賞を受賞し表彰されました。
 同学会は、幼少児の健康教育に関する研究活動の充実と発展に貢献し、より具体的な方途を確立することを目指し、その実践に寄与することを目的としています。
 加納助教は、2022年度「日本幼少児健康教育学会」で発表した論文が、優秀論文賞(中永征太郎賞)を受賞したことを受け、今回の学会で表彰されました。

 ※中永征太郎賞:『日本幼少児健康教育学会誌』に掲載された論文の中、最も優れた論文発表を行った会員に授与

IMG-8813.JPG

論文タイトル

跳動作における幼児期の定位能力・分化能力の発達的特性:異なる条件の跳躍課題に着目して
(共著者:愛知県立大学教育福祉学部 講師久我アレキサンデル)

これまでの研究の概要

 近年問題とされている幼児期の運動能力の低下について、神経系に関わるコオーディネーション能力に着目し、研究を進めてきた。その中でも時空間を把握する定位能力と動作における筋出力を調整する分化能力に焦点をあてて基礎研究を続けている。

受賞発表の概要

 今回の受賞論文は、3歳後半から6歳前半までの幼児308名を対象に、異なる条件の跳躍課題における定位能力および分化能力の発達的特性を検討した。課題内容は、40 cm先の目標ラインに両足の踵が揃うように両足踏み切りにより跳躍することである。条件Aは障害物がない状態での跳躍、条件Bは2つの地点間の中間地点に障害物のミニハードルを設置して跳躍した。目標ラインから着地地点の踵までの距離を評価対象とし、両条件ともに2回ずつ実施した。分析の結果、性差は認められず、5歳前半から後半にかけて一定水準以上のパフォーマンスが発揮されることが確認され、この時期から定位能力及び分化能力が安定して発揮されるようになっていくことが示唆された。
 今後はこれまでの成果を活かし、コオーディネーション能力の発達的特性を総合的な運動発達の中で捉えていくために、神経系に関わるコオーディネーションテストを用いるだけでなく、全力発揮によるエネルギー系に関わる測定項目との関連の中で検討していくことが必要であると考えている。

論文はこちら
 本研究はJSPS 科研費(17H07006)の助成を受けた研究成果の一部です。