2018.06.04 学部
工学部/香港学生らと共同研究を行う
工学部メディア工学科宮田義郎教授による授業「メディアとグローバル社会」で、工学部学生らと香港理工大学デザイン学部のAlex Ho 先生と学生らが共同研究を行っている。
共同研究の目的は、持続可能なものづくりの学習環境を構築することである。
宮田教授によると、現代都市での大量生産・大量消費・大量廃棄により、環境問題、貧困、紛争など、さまざまなグローバルな問題を引き起こしており、以下のような要因により、これらの問題に当事者意識をもつことが難しくなっている。これらの要因を改善することにより、大量生産の産業システムへの依存度を徐々に減らしていくことにより、持続可能な社会に貢献する事が目的と語っている。
・暮らしを支える食やエネルギーや道具を作り出す過程が見えない
(パッケージ化された食事や電子レンジによる調理、エアコンによる冷暖房、など)
・自ら作り出そうとする挑戦心や好奇心が働きにくい
(必要なものは売っている、壊れても直せず捨てるしかない)
・ものづくりを通した人間関係が構築されにくい
(消費者と生産者のつながりがない)
共同研究は、2015年から始まり今年で3年目。2016年5月には香港理工大学学生10人と教員2人が来訪し、1週間豊田キャンパスに滞在。メディア工学科の授業に参加するとともに、現場での職人の技を見て、自然資源からものづくりを体験した。学生らは好奇心・挑戦心・自然環境や知恵の価値を認識し、豊田市足助町と小原地区の伝統的なもの作りについて学んだ。
2017年からは北見市教育委員会英語講師のHussein Zanaty先生(エジプト)も参加、2018年には香港理工学大学学生26人が来訪し、週末に中京大学の学生と合同でフィールドワークを行った。後日、授業で各チームに分かれ、食に関するテーマ(地産地消、食品廃棄への取り組み、食についての香港と日本の価値観など)、ものづくりに関するテーマ(竹、紙、刃物、織物などの道具と歴史)について調査・討論した結果を発表した。国際英語学部の学生10人のサポートもあり、持続可能なものづくりについて議論を深めた。
【宮田先生のコメント】
学生に対しては、今回の体験を活かして、今後持続可能な社会構築に貢献してくれることを期待します。
共同研究については、香港・日本との連携による豊田市のフィールドワークによって得た知見を活かして、国内の共同研究者と協力して函館、名古屋、和歌山などの他地域での実践を行い、それらの知見を、より一般的なモデルとしてまとめます。また主催している海外約50ヵ国に広がる教育者のネットワークWorld Museum Projectのパートナーとの連携により、世界各地での実践を行い、それらの知見を統合して、世界的な規模での持続可能社会構築に取り組む計画を立てています。
■この記事の英語版はこちら(香港理工大学デザイン学部のAlex Ho 先生英訳)