Creating robots to move with humanlike freedom













工学部 機械システム工学科4年。2024年4月より中京大学工学研究科工学専攻へ進学予定。農家を営むクルマ好きの父の影響で、機械整備が身近な環境で育つ。高校までは陸上競技に没頭し、よりスムーズかつ効率的に動くための身体の動きやメカニズムに興味を持つ。アイアンマンやトランスフォーマーのように滑らかな動きをするロボットの実現をめざしている。

#ヒューマノイドロボット #ロボットとの共生 #フィードフォワード制御 #レゴブロック #摩擦の壁 #膨大なトライ&エラー #挑戦の連続
私の研究の出発点となったのが、木野仁教授が考案した「筋骨格ポテンシャル法」。人体を構成する骨・関節・筋肉3つの働きをロボットに組み込むことで、狙った動きや姿勢の維持が可能となる。
また、何かが起こった状態に反応して制御を行う「フィードバック制御」ではなく、将来の状態を考慮する「フィードフォワード制御」を用いることで、より安全性の高いロボットが現実のものとなる。
安全かつより人間に近い動きをロボットに搭載する。
それが私が掲げる研究だ。
卒業発表まで、およそ1年のプロジェクトがスタートした。
最初に取り組んだのが、関節の動きをシンプルに検証するための1 関節2 筋の原型づくりだ。骨となる支柱に関節パーツを配し、ワイヤーとモーターを使って左右に動かすための2本分の筋肉を表現する。
研究室に大量のレゴブロックとモーターなどの部材を持ち込んで、組み立てに没頭した。
ワクワクが止まらなかった。




原型はできた。しかし全く動かない。 予測はしていたことだったけれど、多くの部品がレゴブロックの構成では全く動かなかった。シミュレーションには、摩擦や重力が考慮されていない。それらがどの程度干渉しているのかを、トライ&エラーを重ねて探っていく。 動かない原因の多くは、摩擦にあった。 さまざまな数値を入力し、検証を続けていっても、なかなか思うような動きが出ない。研究室の仲間や先輩、木野教授にアドバイスを仰いだり、関係する論文に目を通して実践しても、なかなか成果につながらない。 まともな動きが出せないまま、3ヶ月が過ぎていく。 しかし、そこにあったのは“絶対に答えがある”という心の奥底から湧き出てくる自信だった。レゴブロックを3Dプリンタで作ったパーツやベアリングの入った滑らかなパーツに変え摩擦を減らすことで、きっかけを与えてあげれば不安定ながら動くようになってきた。




さまざまな検証や教授との対話を通じて着目したのが「ディザ」と呼ばれる電気のノイズ。
そのノイズによって摩擦が軽減し、動きが劇的に変化した。ディザが動き始めのきっかけと
なって、狙った動きをスムーズに行えるようになってきた。
膨大なトライ&エラー。さまざまな数値を入力し、地道に繰り返し検証することで、規則性が見えてきた。
そこから新たな仮説を立て、最適な動きを試みる。
研究仲間の存在も大きかった。実験データや考え方を見てもらうことで、客観的な目線から
自分自身では気づけないことやアドバイスを仰いだ。
それが何よりも頼もしく、
この研究室の強みだと感じる。
1関節2筋のロボットが、いよいよ完成に近づいた。










人の上腕をイメージした2関節6筋のロボット製作。関節と筋肉が増えることで、多彩な動きが可能となる。
将来的にはワイヤーから人工筋肉へと進化させ、開発部分を組み合わせて拡張できるよう改良を重ねて、
さらに複雑な動きも実現する。人々と共生する介護ロボットをはじめ、
ロボットアームなど産業用ロボットにもこの技術が展開できるはず。


これからのモノづくりは、ソフトとハード両方の力が求められます。
中京大学工学部ではシミュレーションやプログラムを行うためのプログラミングスキル修得に
力を入れ、機械設計や加工も充実した設備を使って主体的に学ぶことができます。
ここには、誰も成し遂げたことがないような研究テーマが盛りだくさん。
新しいことに挑戦したいなら、ぜひ工学部で学びましょう!
没頭できる研究施設が整う
名古屋キャンパス
沿面放電実験装置、知能ロボット実験装置、高電圧実験装置、機械加工室など、施設や設備が充実。
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