実社会の企業・官公庁と連携する実践的な学びで
社会人基礎力を高める

大学生が消費者トラブルを防ぐ!?

多様化、複雑化する消費者問題。
ネットショッピングなど売り手の顔の見えない売買が増え、
気づかないうちに若者がトラブルに巻き込まれることも。
さらに、消費者を守ってくれる法律も複雑で、正しく理解する人は多くない。
そこで名古屋市は、若者自らが危険を察知し、
問題に対処できる「自立した消費者」に育つよう、大学生に協力を呼びかけた。
これに応え、法学部杉島教授のゼミ生は、消費者トラブルを防ぐために立ち上がった。

委託事業5年目を迎え、さらに活動領域が拡大。

名古屋市が学生たちに期待するのは、事業に関わる学生たちが消費者問題に対する関心と知識を深め、消費者教育の担い手として家庭や学校、地域の中で市民の消費者意識を高める役割を担ってもらうこと。もう一つは、学生ならではの視点から消費者教育の効果的な普及方法を見つけてもらうこと。これに対して、日常生活と法律の関わりについて研究している杉島教授のゼミは、3年生が主体となって活動を展開してきた。
事業へは2013年度から取り組み始め、初年度は消費者啓発のためリーフレット制作を中心に行った。2014 年度からは市が主催する消費生活フェアでのブース出展を開始。さらに2015 年度には、学生たちが附属高校の生徒と共に消費者問題についてグループディスカッションを行うことも取り入れた「高大連携学部授業」を実施。2016年度は、大学の学園祭でも啓発活動を行うなど、活動の幅は年々広がってきている。

学生の視点で消費者問題の解決策を探る。

取り上げるテーマは年度ごとに異なる。例えば、2015年度は、ワンクリック請求詐欺、プリペイドカードの購入を指示する詐欺、サクラサイト商法、SF商法、クーリング・オフをテーマとした。また、2016年度は、保健機能食品、マイナンバー、ヤミ金融、インターネット通販、クーリング・オフをテーマに活動を展開。学生が調査した中で今、市民に最も注目してもらいたい問題、知っておいてほしい法律などについてまとめ、消費者向けイベントでの展示物を作り上げる。さらに、イベント来場者の反応を参考にしながら啓発のための冊子を制作。これを学内での啓発や附属高校との連携授業に活用している。

若年層に広がる消費者トラブル、その防壁として。

法律の観点から消費者問題を眺めると、まさに混沌とした状態だ。日々、新たな問題が生まれ、それを追うように法律が改正されていく。しかも関連する法律は、民法に留まらず、消費者契約法、特定商取引法、景品表示法など非常に多い。杉島ゼミの学生にとって消費者問題に向き合うことは、自分に身近な問題として法律について考える機会となっている。
実際、情報化の進展に伴って、若者が消費者トラブルのリスクにさらされる機会は増えている。だからこそ高齢者だけでなく、若年層に対する消費者教育が重要だ。2012年12月には、消費者教育推進法が施行されており、小学校、中学校や高等学校でも消費者教育の取り組みが始まっている。その先導役として、大学生に対する期待は大きい。

プロジェクトコーディネーター・メッセージ

社会という現実と向き合う中で
「本物の力」を身につけてほしい。

名古屋市の委託事業は、常に合理的に判断できる消費者を増やす消費者教育・啓発が目的ですが、参加する学生たちには、その核になることが期待されています。例えば、「クーリング・オフ」という制度は、最も強力な消費者保護の仕組みですが、期間が決まっているため、それを知っているかどうかで対応は変わってしまいます。消費者がもつ防衛手段の存在を家庭や学校、地域に広く知らせるために、ゼミ生たちに活躍してもらっています。
一方、法律を学ぶ学生にとって消費者問題に関わることは、身近なことから法律への理解を深める絶好の機会となっています。消費者問題はますます複雑化しており、さまざまなトラブルが表面化し、社会問題化するたびに、消費者を守る法律が次々と改正されてきました。これほど法改正が頻繁に行われる法分野は他にはあまり見られません。だからこそ、法の基本原則を見失わないことが大切ですし、法律をいかに使いこなすべきか考える醍醐味があります。
例えば、スマホの端末代金を月々の利用料金と共に分割払いにしている人が多くなっていますが、支払いを延滞することで、その情報が信用情報機関に登録されることがあります。学生時代に電話代の支払いを忘れたために、クレジットカードが作れなかったり、ローンが組めなくなったりすることもあるといいます。
実は、新しい問題に対して法律は必ずしも万能とはいえません。しかし、決して無力ではありません。法律を知ることで、対処できることがあります。法律を学ぶ学生たちには、こうした新たな法の可能性に挑戦してもらいたいと思っています。

※クーリング・オフ:頭を冷やして考え直す期間を消費者に与え、一定の期間内であれば消費者が業者との間で締結した契約を解除できるという制度。

法学部 : 杉島由美子 教授

名古屋市「大学等への消費者教育・啓発委託」事業

大学生自身が消費者問題について知識を深め、関心を高める機会を設け、若者の視点やアイデアにより、消費者問題について効果的な普及を図ることを目的として、名古屋市が大学等に消費者教育・啓発についての企画立案およびその実践を委託するもので、中京大学は2013年度から本事業を委託されている。

PROFILE

法学部 杉島由美子教授

1989年名古屋大学大学院法学研究科博士課程(後期課程)単位取得満期退学。名古屋文理短期大学専任講師、椙山女学園大学現代マネジメント学部助教授等を経て2007年、中京大学法学部教授に就任、現在に至る。専門は民法、消費者法など。民事被害者救済システムの研究を進める一方、ゼミでは「日常生活から法律を学ぶ」という視点から消費者問題などをテーマに研究。

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