実社会の企業・官公庁と連携する実践的な学びで
社会人基礎力を高める

社員の英語力を“カイゼン”しよう!

週に1度、ミタチ産業株式会社(以下、ミタチ産業)本社の一室で開かれる英語教室。
受講者は、業務の国際化に対応するため英語の基礎力をつけたい社員の皆さん。
一方、教壇に立つのは、国際英語学部の学生たち。毎回5、6人の学生がグループに分かれ、
独自に考案した学習活動を展開する。目指したのは、受講者の満足度をアップさせ、
語学学習で大切な「継続」の意欲につなぐこと。
そのために毎回、一人ひとりの反応を確かめながら、授業の“カイゼン”を繰り返す。
そんなミタチ産業と中京大学の出会いは2014年。
当時、大学のオープンカレッジ(市民の方向けの講座)で、
森山准教授が講師を務める英語講座を受講していた総務人事課社員の発案により、
産学連携による企業の語学研修のカリキュラム開発は始まった。

オーダーメイドの語学研修カリキュラムの開発へ。

自動車、アミューズメント、工作機械分野など日本を代表するグローバル企業に電子部品を販売するミタチ産業は、早くから東南アジアを中心に拠点網を築き、グローバルな供給体制を整えてきた。1990年代には電子部品の受託生産サービスを開始し、フィリピンに自社工場をもつなど、すでに事業のグローバル化を進めてきた。しかし、海外赴任者や海外業務に直接関わる社員と、国内業務が中心の社員とのグローバル化に対する意識格差が、事業のさらなる国際化を目指す上での課題となっていた。
社員のグローバル化に対する意識の壁を越えさせる鍵となるのは語学力だ。まずは、「英語なんて自分には関係がない」と思っている社員の英語学習に対する意識向上や基礎力の強化を狙った独自の研修システムを築きたい。こうして総務人事課社員は、森山准教授に相談。その依頼内容は、既成の学習プログラムでは実現できない、自社の事情に応じたオーダーメイドの語学研修システムの開発だった。

“カイゼン”を繰り返し、「やりがい」を育てる。

森山研究室では、ゼミ研究の一環としてこのプロジェクトに取り組んだ。まず、企業の要望に基づいて、海外赴任者向けと一般社員向けの2コースを設置。このうち一般社員向けの「基礎力強化コース」をゼミの学生たちが担当することになった。
学生たちが目指したのは、受講者が英語学習を継続したくなるカリキュラム。1コマ90分の授業を5、6人で受けもち、英語を使う楽しさを味わってもらうことを優先したアクティビティを毎回3つ企画し、実施する。そして授業終了後には受講者の習熟度や満足度を確認しながら、カリキュラムのバージョンアップを図っていった。カリキュラムの設計と提案、実施と振り返り、そして“カイゼン”を繰り返しながら、授業全体のクオリティを上げていく。それが学ぶ者、教える者の双方に「やりがい」を育てていった。

気持ちを動かす、本物のコミュニケーション力を磨く。

スタートから3年。ミタチ産業では自由参加のこのプログラムに魅力を見出し、継続して受講する社員も多い。また、会社としても、社員のモチベーションを高めながら、海外展開や人事戦略のベースとなる研修制度を整えることができたメリットは大きいと言う。
一方、教壇に立つ学生にとっては、本物のコミュニケーション力を身につける貴重な体験の機会となっている。コミュニケーション力は、社会人に求められる代表的な能力とされているが、それは単に、自分の意思を伝える技術を言うのではない。その技術を駆使して相手に理解を促し、最終的に行動を起こさせる仕掛けの企画・実行力とそれを継続する情熱である。そのためには相手の表情や反応を読み取る力も、変化に応じて話を展開する力も必要となる。世界と向き合う社員のための研修プログラムは、学生が社会と本気で向き合う成長の場でもある。

プロジェクトコーディネーター・メッセージ

国際英語学部国際英語学科国際学専攻 :
森山真吾 准教授

語学を学ぶ学生がもつポテンシャルを
企業や社会の国際化に活かしていきたい。

英語教育プログラムの実践では、「伝える」にとどまらず、「伝わること」が重要です。授業によって受講者が「英語は楽しい」と感じ、もっと「学びたい」と思えること。そんな変化を学生たちがもたらすことが目的でした。そのため、受講者が何に満足してその時間を終えてもらえるか徹底的に考えてもらい、カリキュラムを設計していきました。いわばCS(顧客満足)の追求です。
もう一つ大切にしたのが“カイゼン”です。受講者の反応や変化に応じて、次に何をすべきか常に考えるよう学生たちに指導しました。週1回のリズムで改善を繰り返すことにより、「伝わる力」が着実に身につきます。
このプロジェクトは学生にとって、顧客満足を追求したプログラムの「設計力」と「提案力」、さらに「伝わる力」を修得するための良い機会となっています。学生の成長につながるこうした取り組みが企業や地域社会の国際化や人材育成の一助となる道を、今後も探していこうと思っています。

プロジェクト企業担当者・メッセージ

事業環境の変化に合わせ、
独自の研修制度の構築を目指す。

当社グループは東南アジアを中心に8拠点に進出。また、事業も多様化しており、さまざまな人材を抱えています。こうした社内のダイバーシティをさらなる成長につなげるために、国際共通語の英語教育や異文化教育は欠かせないと考え、独自の語学研修制度を構築しようと考えました。
もちろん民間の語学プログラムも検討しましたが、当社の事情に合わせたカリキュラムや効果測定も含んだきめ細かな対応、また学生さんたちの自由な発想に期待し、中京大学との連携に踏み切りました。社員たちからは、大学の高度な英語学習者としての経験をもつ学生たちの授業は新鮮で、学校で習う英語よりも楽しく、分かりやすかったといった反応を得ています。

ミタチ産業株式会社 管理部 総務人事課 :
加藤雅也 さん

ミタチ産業株式会社

自動車、アミューズメント、工作機械分野等に各種電子部品を販売すると共に、それらを組み合わせた電子部品の受託生産サービス(EMS)なども提供。海外に自社工場や販売子会社を有し、さらなる事業のグローバル化に備え、2014年より全社的な英語力の向上を目指した独自の研修制度と学習カリキュラムの開発に着手。中京大学との連携に踏み切った。

PROFILE

国際英語学部国際英語学科国際学専攻 森山真吾准教授

中京大学文学部英文学科(現国際英語学部)卒業。1997年マサチューセッツ大学ボストン校大学院二言語教育研究科修了。マサチューセッツ大学、マサチューセッツ州立大学ブリッジウォーター校、アマースト大学等で日本語教育に携わる。2011年中京大学国際英語学部専任講師に就任。現在は主に、学部生用英語プログラム管理運営、外国語としての日本語教育、海外研修を担当。研究分野は、言語人類学、教育言語学、日本語教育など。

関連サイト:

■ミタチ産業株式会社HP
http://www.mitachi.co.jp
■中京大学受験生向けHP「ネットキャンパス」内森山ゼミ関連記事
http://nc.chukyo-u.ac.jp/news/detail.html?nid=1576

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