高大接続入試【事前課題型】講評(文学部)2024年実施

第1次選考:レポート
本入試は、言語表現学科として今回で6回目の実施となりました。文学部言語表現学科で開講されている科目のうち、パンフレットに記載されたものから自身の最も興味のあるものを1つ選び、「シラバスの内容に関連するテーマを自ら設定し、2,000字程度のレポートを作成」するというものでした。

 

第1次選考では、提出されたレポートを数名の審査官で審査し、合否を判定しました。シラバスを読むことで、興味関心のある言語表現の分野の授業がどのような内容であるのか、そしてどのようなことを探求し、どのような学修目標が掲げられているのかが理解できたと思います。歴史や文化、あるいは問題点などを、文献資料などの情報を収集整理し、自身の考えを述べる力を見ることで、言語表現学科の学生として積極的に学修活動することのできる力を確かめることができました。

 

■評価の観点

表現と形式面 句読点の付け方、主語述語等のことばづかいが適切であるか。全体のまとまりがあり、読みやすいか。参考文献を使用した場合、参照した書籍、新聞、インターネット等の出典や情報が正確に記されているか。文字の書き方は丁寧かなどです。
内容面 テーマを理解した内容であるか、文章の組み立てが論理的か、論旨が明確か、自身の考えや主張が記されているか、オリジナリティや独創性があるかなどです。

上記を総合的に判断し、点数化しました。

 

 

第2次選考:プレゼンテーションと質疑応答
第2次選考は、面接官2名を前にしてのプレゼンテーションと質疑応答という形で行いました。室内での動作や声の出し方、目線の置き方や落ち着き、質問に対する的確な返答などが申し分なくできるかについても十分に確認することができました。

 

プレゼンテーション  約10分 事前の課題レポートについて、掲示、資料プリント、スライドなどの中から各自が選んだツールを用いて発表してもらいました。各自の興味関心に基づいたテーマであり、レポートの内容を自身の発声や言葉で表現することで聞く人を引きつける力を見ることができました。
 質疑応答  約30分 先に提出した「レポート」「志望理由書」「学修計画書」「調査書」「実績記入票と証明資料」、当日の「プレゼンテーション」の6点をもとに質問し発言を求めました。「レポート」「プレゼンテーション」の出来栄え、志望理由から将来にわたる学修設計、現在までの校内校外での活動実績について、「表現力」「思考力」「学ぶ意欲」などを精査し、総合的に選考採点を行ないました。

 

まとめ
文学部言語表現学科では、様々な情報収集とその活用、数人によるグループワーク、大勢の人の前での発表などに取り組む授業があり、どのような状況においても柔軟に対処する力を身につけることのできる受験生を切望しています。また本学科は、日本語による表現と運用能力・コミュニケーション能力を身につけていくことを学修目標としていますが、日本文学や歴史文化の学習にも積極的に参加してほしいと思います。

 

なお、高大接続入試のあり方として、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」が求められていますので、受験に際して協力者を得たりアドバイスを受けたりすることはもちろん、情報収集においても多様な人とのかかわりの中で、自らを磨き成長させていくことが出来ればよいのではないかと思われます。これらの活動は、課題に対して自らが主体的に取り組むことで、自然に生じるものだと思われます。協力者の方々には、課題を解かせる・覚えさせることが目的なのではなく、課題を通して生徒の能力の伸長を図ることが目的であることを理解していただきたいと思います。

 

合格通知が届いた折には、12月から入学式までの約4ヵ月間に、小説、評論、詩歌、古典などの読書とともに、美術や音楽、演劇などの芸術鑑賞にも積極的に触れ、様々な知識や豊かな情感を養っていただければと思います。
来年度の受験生にも大きな期待を持っています。