高大接続入試講評(総合政策学部)2024年実施

総合政策学部 高大接続入試 単位認定型講義が2024年8月7日(水)・8日(木)に名古屋キャンパスにて実施されました。
高校3年生と中京大学総合政策学部の1年生が一緒に集中講義「総合政策入門」を受講し、課題やレポートの結果によって単位を修得します。単位を修得することで高大接続入試【単位認定型】及び【単位認定共通テスト利用型】の出願資格の一部を得ることができます。総合政策学部 高大接続入試【単位認定型】は、面接(口頭試問)試験を経て、総合評価で合否が決まる入試となります。

 

 

「総合政策入門」講義概要
「総合政策入門」は総合政策学部の1年生向けに2020年度から開講している入門科目です。総合政策学部には必修科目の「総合政策概論」という科目もあり、この科目では総合政策学部で学ぶ幅広い学問領域を「概」ね「論」じる講義を行っています。総合政策入門はそれよりも更に入門的な講義を行うべく、1コマ90分の講義を8回(1単位分)、8月に集中講義として行いました。

 

この科目では経済学、経営学、法学、政治学を専門とする4人の教員がそれぞれ2コマずつ講義を行い、総合政策学部の1年生と高校生が一緒になって受講します。そのため、総合政策学部で学べる幅広い分野の学問領域を大学生と同レベルで学べる科目になっています。もちろん、成績評価も大学生と同じ基準です。具体的には4人の教員がそれぞれの担当領域である経済学、経営学、法学、政治学にまつわるレポートや小テストを行い、それをもとにS,A,B,C,Dで成績評価を行います。

 

 

講義
総合政策学部とはどのような学部かと問われれば、我々は「大学での進路を迷っている方のために、まずは幅広い分野を入門的に学び、そこから自分の興味・関心に沿って専門性を高めていくことができる学部」だと説明しています。そのため、高校での「現代社会」や「政治・経済」の学びをもとに、経済学部や経営学部、法学部、政経学部の入門部分にあたる講義内容を「総合政策入門」では扱っています。このような講義の特色から、2コマごとにがらりと講義内容が変わることに戸惑われた受講生もいたでしょう。「国際社会におけるルールを法律という観点から学ぶ」という講義を聞いた後に「ヒット商品の生み出し方」という話を聞くなどということもあるわけですから。しかし、それは表面的に中身が薄い講義を行っているというわけではなく、あくまで学会の最先端の理論やトピックスを分かりやすく講義しています。

総合政策学部で学ぶ内容は幅が広い分、求められる知識・能力も幅が広いです。たとえば経済学では数学の初歩的な思考力が必要ですし、法学や政治学では高校の政治経済の習得が事前に求められることもあります。あるいは経営学では新聞・ニュースで取り上げられる会社のことも知っておくと有益でしょう。しかし、「総合政策入門」ではあくまで「入門」ですので「普段からこういったことを学んでおきましょう。こういった情報にアンテナを張っておきましょう」という説明をしています。中学社会や高校社会科目が定着していると理解が深まるのは事実ですが、大学で学ぶ「学問」は高校での「授業」とは全く異なるものであるということも、「総合政策入門」では体感できるかと思います。

 

面接
第二次選考では教員2名による面接試験により、「総合政策学部を志望した理由」、「大学に入ってからやりたいこと」、「大学卒業後になりたい姿」を中心に質問を行いました。「総合政策入門」を受講した後なので、講義内容に対する理解度も確かめました。高大接続の意義を理解し、面接を通して大学4年間の学びをある程度理解できていることを確認し、卒業時に大学4年生が自らの大学での学びをすらすらと答えられる最初のトレーニングも行いました。

そこで大切なことは「深く掘り下げて考える」ということと「自分らしく答える」という2点に尽きるでしょう。大学のパンフレットやホームページを見ていないのは論外だとしても、それらに載っていることを話すだけでは面接官の興味は湧きません。パンフレットの内容は受験生よりも我々の方が詳しいのですから。「幅広く学びたいから総合政策学部を志望した」と言われても、「では、何故幅広く学びたいのですか」と聞くだけです。それを答えるのに窮するようでは、自分で考えたと言えないでしょう。

「もっと話を聞きたい」と面接官に思わせるような「深く掘り下げられた自分なりの考え」があればより高い評価を得られるでしょう。そのためにはもちろん、高校時代という「今」を懸命に過ごすことが求められます。大いに学び、常に仲間と議論を交わし、思いっきり遊び、時には悩んだり迷ったりしながらも目の前の全ての事柄に懸命に取り組むことがきっと皆さんの将来にプラスになります。面接でも、そんな皆さんの懸命さを確かめています。