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2021.06.18 学部

経営学部/中條秀治教授2020年度経営学史学会賞(著書部門)を受賞

経営学部の中條秀治教授が、2020年度経営学史学会賞(著書部門)を受賞した。

 

同賞は、2020年度公募期間中に公刊された経営学史研究や比較経営学研究の文献のなかで特に優れた業績と認められるものを表彰するものである。

 

受賞した著書は、『コルプス・ミスティクムとは何か−教会・国家・株式会社を貫く団体の概念−』(文眞堂)。中條教授は1999年度に 『組織の概念』(文眞堂)で「組織学会賞 著書部門高宮賞」を受賞しており、二度目の学会賞の受賞となった。

 

受賞式は、コロナ禍の2021年5月29日、駒澤大学で開催された全国大会(2021年5月28日~5月30日)においてzoom形式で行われた。

 

 

【受賞した著書の詳細】

著書名:コルプス・ミスティクムとは何か−教会・国家・株式会社を貫く団体の概念−
著者:中京大学経営学部教授 中條秀治
出版社:文眞堂
概要:
1998年の『組織の概念』および2005年の『株式会社新論』(文眞堂)で著者が展開した「組織」と「団体」の概念的相違を中世キリスト教に起源を持つコルプス・ミスティクム(corpus mysticum)という観念にまで辿り論及したものであり、株式会社の起源から説き起こして株式会社の本質に迫ろうとしたものである。

 

コルプス(corpus)はラテン語で「体」であり、ミスティクム(mysticum)は「不思議な」という形容詞であり、コルプス・ミスティクムは「神秘体」と訳される。

これは、死して復活した「キリストの体」を意味し、それは「死ぬことのない永遠性」を表現するものとなっている。

コルプス・ミスティクムの観念は、「法人」というフィクションを生み出した母体である。

教会・国家・株式会社といった永続性を志向する社会制度体は、この宗教由来の観念を援用し、「死ぬことのない永続性」を持つ団体、すなわち「法人」として存在する。

 

本書において、株式会社の制度的特質および存在論・所有論・法人論争などが取り上げられ、株式会社は法人という概念構成体を成立させる論理で成立すると結論づける。

すなわち、株式会社という存在は、法人であり「擬制的身体」と「擬制的人格」を持って自律的に運動する社会制度体である。

ここでの分析は、「株式会社は誰のものか」といった現代のコーポレート・ガバナンス論に明確な視座を与えるものとなっている。著者は、新自由主義の経済イデオロギーが拡散する中で、「会社は株主のものであり、株主の代理人としての経営者は株主利益の最大化のために存在する」というミルトン・フリードマン以来の宿痾の社会常識ないしイデオロギーに対して、〝生きている″株式会社は「会社それ自体」として存在しており、「誰のものでもない」と主張する。

 

本書では、株式会社の歴史的展開を跡付けることも行っており、大塚久雄の『株式会社発生史』を批判的に検討し、法人としての株式会社の起源はオランダ東インド会社ではなく、イギリス東インド会社にあるという結論を導き出している。

また、会社観を巡っては、「人の集まり」であるカンパニー(company)の会社観と「法人」であるコーポレーション(corporation)の会社観が二つ流れとして存在していることを明らかにしている。

そして、現代の株式会社についての論争が混迷する原因については、私益という観点で成立するカンパニーの会社観をもって、本来的には公益という観点で永続性を担保している法人たる株式会社(corporation)を解釈しているところに問題の本質があるとしている。

 

さらに、中世キリスト教に起源を持つコルプス・ミスティクムの観念で成立した株式会社が宗教観の全く異なる日本にどのような形で導入され定着したのかについても論じている。

日本における株式会社制度の移転の局面については、西洋キリスト教のコルプス・ミステスクムが日本古来の「家」という観念と相似形であったがゆえに、株式会社が「家」として再解釈されて日本に移入された経緯を論じている。

 

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