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2019.05.24 学部

工学部/モノの「機能」を認識するロボットAI研究

工学部橋本学研究室と国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)と国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日用品など対象物の「機能」認識の研究に利用できる、機能属性ラベルが付与された3次元モデルデータベース(DB)を構築しました。

 

コップやスプーンなどの日用品には、「grasp(つまむ)」、「contain(蓄える)」、「scoop(すくう)」など、部分ごとに割り当てられた役割があります。本DBは、メッシュや点群などで表現された3次元物体の形状モデルと、モデルの部分ごとに付与された各機能を表す 「grasp」、「contain」などの属性ラベルからなっています。

 

このデータを利用することによって、Deep Learningをはじめとする機械学習に基づく機能認識アルゴリズムの研究やシステムの試作が容易になり、同研究分野の一層の発展が期待されます。機能認識の用途としては、ロボットの動作生成、ロボットタスク生成支援、類似部品を扱える汎用的な認識システム、などが考えられます。

 

本データベースは、5月24日に公開されました。

1.研究プロジェクトの概要

 

本プロジェクトは、NEDO委託事業「次世代人工知能・ロボット中核技術開発/次世代人工知能技術分野/人間と相互理解できる次世代人工知能技術の研究開発」(研究期間:2015~2019年度)の一環として、中京大学が産総研からの再委託を受けて実施しているものであり、研究項目「次世代人工知能フレームワーク研究・先進中核モジュール研究開発・認識クラウドエンジンの構築」として、次世代の知能ロボットに搭載可能な、先進的な認識モジュール群やデータベースの開発を目的としています。

 

2.研究成果・技術

 

次世代の知能ロボットにおいては、ロボットが目的に応じて自ら動作を考え、実行することが求められます。そのためには、日用品のような道具の使用目的や使用方法を自ら認識し、ロボットアームやハンドの動きを生成することが必要になってきます。したがって、ロボットの視覚機能としては、対象物の名称や位置・姿勢を認識することに加えて、「grasp(つまむ)」、「contain(蓄える)」、「scoop(すくう)」などの「機能」を正しく認識することが不可欠です。

 

この考え方に基づき、橋本研究室では、これまでに機械学習に基づく機能認識技術やそれを用いたロボット動作生成技術、また機械学習のために必須となる大量のデータセット作成支援技術などを開発し、たとえば、全自動のお茶会ロボットのプロトタイプシステムを開発して、その性能を実証してきました。

 

今回のデータベースは、これら一連の研究の成果として得られたものであり、意味のある機能属性ラベルが付与された日用品のモデルデータが格納されています。これにより、モノの「機能」を認識できるロボットAI研究の加速が期待されます。

3.公開予定のデータベース諸元

 

URL:http://isl.sist.chukyo-u.ac.jp/archives/nedopro/

データベース名称:NEDO-Part-Function-Dataset-2019

4.今後の予定

 

2020/3 データセットを追加

 

5.関連情報

技術解説 http://isl.sist.chukyo-u.ac.jp/archives/nedopro/

技術解説 https://www.airc.aist.go.jp/topics/ja/003127.html

お茶会ロボット https://www.youtube.com/watch?v=5sKXyfasIz4&feature=youtu.be

機能認識デモ https://www.youtube.com/watch?v=EiJ7b5ejNnI&feature=youtu.be

中京大学 工学部 橋本研究室 http://isl.sist.chukyo-u.ac.jp/

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