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2018.06.25 学部

工学部/「画像センシングシンポジウム」で優秀学術賞

工学部橋本研究室(機械システム工学科・橋本学教授)で推進中のNEDO(国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構)プロジェクトに関する研究成果が、6月14日に横浜で開かれた「画像センシングシンポジウム(SSII2018)」で優秀学術賞を受賞した。

この賞は、毎年、前年度に行われる同シンポジウム(今回はSSII2017)の発表の中から選定されるもので、今回、最優秀学術賞は埼玉大学、優秀学術賞は本学および東京大学の研究グループの計3件が選出された。

受賞した論文は「日用品が持つ機能に着目した物体クラスとロボットアプローチ位置の同時推定」。工学研究科の飯塚正樹さん(修士課程2年)が筆頭著者で、秋月秀一さん(中京大学研究員、現・慶應義塾大学)、橋本教授と共同で研究を行っている。

橋本教授(左)と飯塚さん

キーワードは「生活支援ロボット」。これまでもマシンラーニング(機械学習)の代表的手法であるディープラーニング(深層学習)という技術により、ロボットは、初めて見る対象物が何であるかを判断できていたが、ロボットの動作を行うことは困難であった。今回は、過去に蓄積した膨大なデータを用いて「学習」した人工知能を利用して、対象物の「機能」を認識し、アプローチすべき位置や方向を自動推定する技術を開発した。さらに、この「機能」をもとに、対象物の種類を同時に推定することにも成功した。例えば、大きなくぼみは「飲料を蓄える」という機能、小さなループは「手でつまむ」という機能をもつことを認識し、最終的には、まるで人間のように、「それら両方をもっているのはコップに違いない」と判断する。

橋本教授は、「コップだけでも200~300個を用意して大量の3次元データを取得するなど、事前にロボットの人工知能に『学習』させるのが大変でした」と話す。受賞した研究について「NEDOというわが国の重要な国家プロジェクトに関する研究に関連して受賞できたので、大変嬉しいです。今回の受賞は家庭用のロボットを想定した研究ですが、そもそも対象物の『機能』は、商品のデザイン性や人間の感性とも密接に関わっています。今後は、心理学分野の研究者とも交流し、この研究をさらに発展させて、新しい考え方に基づく商品設計の概念形成にまでつなげていきたい」と抱負を語った。

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