社会つながりプロジェクト

2016-12-17
リトルワールドへの展示
博物館実習生の成果を、野外民族博物館リトルワールド「ンデベレの家」に展示しました。

2016年度の博物館実習「館園実習」の課題は、野外展示家屋「南アフリカ ンデベレの家」用の解説シートを制作することでした。実習生それぞれがンデベレ社会・文化にかかわるテーマをひとつ定め、文献やインターネットを用いて調べた上で、来日したンデベレ人絵師たちへのインタビューで事実関係を確認し、新たな情報を得て、作りました。

テーマは、壁絵や絵師の紹介、ことば、衣装、家族、そして料理などンデベレに限ったものもあれば、南アフリカの歴史、通貨、公用語、スポーツなど、国全体を取り扱ったものもあります。1枚で仕上げる者もいれば、6枚も作った者もおり、総勢27名の実習生が合計43ページの解説シートを仕上げました。

 

展示スタイルは、2枚を背中合わせに解説シートをラミネートし、4か所に穴をあけ台に綴じるというものです。来館者の皆さんが、台上のシートを1枚ずつめくって、解説を読むという形式になります。

 

作成に当たっては、実習担当者である教員が1994年以来調査を続けているンデベレ社会・文化の知識を学生に伝えました。何度も文章の校正を繰り返し、パワーポイント上でレイアウトをやり直したシートを、館園実習の最終日にリトルワールドの学芸員さんの前で発表しました。ここで最後のチェックを受け、全体の統一感を出すために、文字のポイントやフォントを合わせて、およそひと月後、ようやく完成にこぎつけました。12月17日、リトルワールドの学芸員さんと展示台に解説シートを取り付け、「ンデベレの家」両親の家の居間に設置し、来館者の皆さんの観覧に供するものとなりました。

実習生たちは、博物館の展示で来館者にモノゴトを伝える難しさ、その気配りと目配りの細かさを実感したと思います。そして何よりも、自分たちの成果が実際に博物館で展示される喜びを得ることができたと思います。野外民族博物館リトルワールド学芸員さんのご協力とご指導に感謝いたします。こうした大学の学芸員課程と博物館の連携を今後も継続して実施し、学生の皆さんのスキルアップを図っていきたいと思います。

2016年11月13日壁絵修復作業完了。21年ぶりに鮮やかな壁絵がよみがえった「ンデベレの家」

 

 

 

 

 

 


博物館実習プロジェクト

学芸員資格取得および技能習得のための実習