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4専攻

社会学専攻

学びのガイダンス:社会学の発展を学ぶ人のために

たとえばこんな疑問がマイ社会学のキッカケになる。

■疑問:今の若者はダメなのか?
<社会学的考察>

マスコミなどでは、今どきの若者はケータイやゲームばかりやっていて人間関係が希薄になっている、犯罪が増えている、マナーが悪い、といったことがよく言われています。そうした発言を当事者である若者たちも信じてしまっているようなところがあります。しかし、社会学的な調査からは、人間関係が希薄になったといった変化はみられないという結果が出ていますし、統計データをみても犯罪が増えているといった結果は得られていません。
このように、「よく言われていること」と「現実」には大きな落差があります。実際のデータをもとに事実を正確に理解することは社会学の基本であり、不確かな情報に振り回されずにすむような「生きる知恵」を身につけることにつながります。

■疑問:「自分らしさ」って何?
<社会学的考察>

「自分らしく」生きることは当たり前のように思えるかもしれません。しかし、そうした生き方は歴史的にみるとまったく当たり前ではないのです。歴史をさかのぼると、長いあいだ身分制社会、つまり自分が何者なのかは生まれつき決まっていたような社会であったことがわかります。そこでは「自分らしさ」にはまったく価値はなく、誰もそんなことは考えもしませんでした。それに比べれば今はずいぶん自由な社会といえるでしょう。ただ、自由な社会は反面、とても厳しいものです。
人は誰しも正解のない「自分らしさ」を追い求めつつ、その選択に責任を負わなければならないからです。このように、歴史という視点を大切にして「今」を考えることも「生きる知恵」につながります。

■疑問:フリーターになってしまうのは自分せい?
<社会学的考察>

今の時代、大学生の就職はとてもたいへんです。卒業しても正社員として就職できず、派遣社員やフリーターになる人も少なくありません。フリーターで一生涯送るとすると、同じように働いても正社員の1/2以下の収入にとどまるという計算結果もあり、厳しい生活を余儀なくされると予想されます。では、フリーターになるのはその人の責任で仕方がないことなのでしょうか。確かにそういう面がないとはいえませんが、その時代の社会経済状況、地域や家族の環境など自分ではどうしようもない側面もまた大きく影響しているというのが、社会学的な調査研究からわかっています。このように、「社会」の影響がどのような人に有利―不利にはたらいているのかを考えることも「マイ社会学」になります。