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コミュニティ学専攻

学びのガイダンス:家族社会学を学ぶ人のために

少子化の背景に家族の変容や社会の変化をみる

今わが国では、新しく生まれてくる子どもたちの数が減っていく、少子化が進行しています。少子化が進み続けると、人口減少が永遠に止まらず、この社会が持続できない事態になります。国、自治体、企業などが、少子化を止めるにはどうしたらよいか知恵を絞り、対策をしているところです。
それでは、少子化はなぜ起きているのでしょうか。若い人たちの間で、生涯一人で暮らしていくことを望む人が増えたからでしょうか。子どもを欲しくないという夫婦が増えたのでしょうか。
少子化の背景をみていくと、次の2つのことが絡み合って少子化が進行していることがわかります。

(1)第一は、人々の間で結婚や家族というものが変わってきたということです。かつては誰しもが若いうちに結婚して、子どもを数人もうけるのが普通と考えられてきました。しかし、現代では結婚する年齢の幅は広がり、中には生涯独身の人もいます。結婚しても多くの子どもをもうけない夫婦もいますし、結婚しないカップルもいます。

(2)第二は、社会が変わってきたということです。戦後日本は右肩上がりの経済成長を遂げ、成長する企業で働く人たちの雇用は安定し、一億総中流社会といわれる状態が続いてきました。しかし、今は経済成長が低迷し、貧富の差が開いた格差社会といわれるようになりました。また、都市化等によって地域社会は衰退し、子育てなど生活上のことを地域で支え合う力は弱くなりました。こうした変化によって、若い人たちが結婚することや安心して子どもを産み育てることが難しくなってきたのです。

家族社会学では、こうした家族や社会の変容や問題を調べて、人々が安心して暮らし、子どもを産み育てることが可能になるための政策を研究することが大きな課題となっています。また、一人ひとりの立場に立ったときに、この社会の中で力強く生きていくためにはどうしたらよいかということも探っています。