工学部名古屋キャンパス

機械システム工学科 ピックアップVOICE

「人とロボットの新しいあり方を考えることもロボット工学です」― 加納政芳教授

モノづくりをトータルで設計するエンジニアを育成

現代のモノづくりの現場は大型ロボットが並び、巨大化しています。ではそこで働くエンジニアには、いったいどんな能力が必要なのでしょうか。最先端の知識? 職人的な技術? どちらも必要ですが、現代のエンジニアには必要とされている能力が2つあります。1つは生産工程全体を巨視的に見渡す能力です。モノが生まれる背景を考え、生産工程がいかに制御され、販路はどうなっているのかなど、工程全体をデザインする力です。もう1つは、微視的な視点で製品をデザイン・開発していく能力です。製品に触れるユーザー一人ひとりの心理や認識力を想像・分析し、その要求にこたえるグランドデザインを設計します。

中京大学では、学科名を機械工学科ではなく、あえて機械システム工学科と名付けました。加納先生は「モノづくりを技術力の一面からとらえるのではなく、生産サイクルの全体を研究します。例えば効率的な生産システムから実現する低価格化や省エネルギー化。例えば人間の使い心地に配慮したデザインの実現。さまざまな研究を通して現代社会に貢献できる能力を持ったエンジニアを育てるためです」とその理由を語ります。

人を助けるロボットから人と共に生きるロボットへ

とりわけ人気のロボット工学の分野では、人とロボットの新しい関わり方を模索する中で、数多くの研究・開発成果があがってきています。

加納先生は、「私たちは、人を手助けするのではなく、むしろ人に助けられる赤ちゃんのようなコミュニケーションロボットを開発しています。そのため人がロボットを見た時に、どんな期待を抱くのか、といった心理学も応用しています。なにもできなさそうなロボットが、人の想像力を刺激し、赤ちゃんのような人工知能を備えることで、人を癒すべビーロボットになります」と話します。また加納研究室に所属する遠藤さんは、「研究室では、オノマトペを具体化するロボットについても研究を進めています」と、その一端を明かします。オノマトペとは、ガシガシ、ノロノロなど擬音を重ねて、ものごとの状態や程度を表現する言葉のこと。加納研究室では、これらのオノマトペを人間がどのように解釈するかを分析し、多くの人が感じる共通認識を行動として表現し、意味を周囲の人に伝達するロボットを開発しています。遠藤さんは、「先輩の研究を引き継いで始めましたが、この分野の研究者は少なく、未知の世界が広がっています」とその魅力を語ります。将来はスポーツや芸術分野などにおける多分に主観的な感覚言語を、ロボットが具体的な行動で示して客観的に伝える―、そんな世界がやってくるかも知れません。

加納政芳 教授

1999年、名古屋工業大学工学部知能情報システム学科卒。2001年には同大大学院工学研究科博士前期課程を修了し、’04年には同後期課程を修了、博士(工学)となる。同年より中京大学の講師に。’10年に准教授に就任。現在は自らの研究室を主宰しながら、『Cプログラミング』、『Javaプログラミング』『機械学習論』など講義も受け持っている。

大学4年間のゴールは自分自身で生み出そう

「いつか表れる成果を信じて、学生同士でつなぐ研究のバトン」― 遠藤和也さん

研究室では、学生自身のやりたいことをベースにした、自主的な研究姿勢を尊重しています。しかしいきなり「自由に研究しなさい」と言われても困る学生もたくさんいます。そこで、「まずは自分の能力を知ってもらうことから始めます。例えばスマートフォンで音声を認識するアプリ、一見簡単そうだけど、自分でいざ作るとなると大変です。そんな実践を通して自分の足りないところを知ると、学生たちで自主的に勉強会を開いたりして、学ぶことの大切さに気付きます」と加納先生。遠藤さんも「モノを作るのがいかに大変かという経験を通して、熱心な先輩の調べ方のマネをしたり、学生同士で教え合ったりと次のステップに行くために何をすればよいのかを考え、探す習慣がついた」と感じています。 「もちろん研究だけでなく、皆で先生の誕生会を企画するなど、研究で培ったチームワークを発揮して学業以外の部分でも頑張っています」

そんな遠藤さんは、学外のロボットコンテストに応募するため、雨を自動で感知して開く自転車のサドルカバーを開発。「できない壁にぶつかることで、今まで見えなかったものがたくさん見えてきました。小さな問題で悩んだ時は、プログラムの順序や流れなど、大きな設計を見つめ直すことで解決することがしばしばあります。研究室で身につけた能力を活かし、そんな全体の流れを冷静に見渡せる技術者になりたい」と、具体化してきた将来の夢について話します。同時に「現在のオノマトペの研究は先輩から受け継いだもので、僕も大学を卒業したら後輩に渡すことになる。本当に実用化されるのはまだ先のことだけど、次々と学生の手で引き継がれ、少しずつ開発が進むという継承のシステムも、大学ならではのおもしろさだと思います」と語ります。

加納先生も「人とロボットの関わり方は、工場、医療、教育などますます広がります。機械を見るだけでなく、使う人の方を向いた研究を大学で経験し、社会に出て欲しい」と学生に期待しています。

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オノマトペから人の気持ちを類推

ガシガシ、のろのろなどのオノマトペに反応して動作を変化させるロボット。「音」に込められた人の感情を読み解くことで、人とロボットの関わり方や、ロボットを介した人と人とのコミュニケーションが進化します。

一見なにもできなさそうなロボットだからできること

かわいらしい、しかし仕事の役には立ってくれそうもないロボット。1歳半~2歳並みのコミュニケーション力をもつロボットは、使った人の母親的な感性を刺激し、満足感や癒しなどを与えて精神状態を改善します。

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