英語の成り立ちや構造を学び英語運用能力を習得し、英語運用・英語教育の専門家を目指す他、
文学や映像、音声など多様なメディアを通して英語圏文化への理解を深めます。
在学生の声
授業を通じて、英語での
コミュニケーション能力を高め、
外国の文化にアプローチ。
言語文化学科 英米学専攻 金田 蒼平さん
愛知県立豊丘高等学校出身
ネイティブ教員のもと、学生全員が英語で意見を出し合う授業を通じて、自然と英語力が鍛えられています。入学当初は、英語表現に悩んで発言をためらいがちでしたが、徐々にコミュニケーションをとれるようになってきました。 また、英語圏の文学や英語の発音方法について専門的に学ぶなど、大学ならではの授業は興味深いです。将来は海外と関わる仕事をしたいと考えているので、語学学習に加えて外国の文化を研究し、異文化理解を深めていきたいです。
2020年10月取材
英語学・英語教育専修
英語という言語の特徴(音声・音韻、形態、意味、統語、および談話)と共に、英語の歴史、英語と社会について理解を深め、更に英語の運用について学習することで、実務翻訳や通訳といった英語運用に関するスペシャリストの育成を目指します。
また、中学・高校の学校教育の現場で科目としての英語を指導するために必要な専門的能力を修得します。
研究テーマ例
- ●法助動詞の歴史的発達について
- ●結果を表す構文の認知科学的考察
- ●コミュニケーション能力を高める英語授業について
- ●日本語と英語の敬語表現について
- ●英語における省略について
Pick Up 科目
英語と文法化
動詞や名詞といった内容語が前置詞や助詞といった機能語へ変化することを文法化と呼びます。この授業では英語における文法化の事例を観察し理論に基づいた分析を行うことで、英語のさまざまな構文、表現、語彙に対する理解を深めることを目標とします。
日英対照の英語学
英語の音声やリズム、単語・文・談話の構造について、日本語と比較しながら考察し、「英語らしさ」「日本語らしさ」を形作るそれぞれの言語の特性について理解を深めます。また、英語らしい発音の仕方や表現・型も習得します。
英語圏文学・文化専修
アメリカやイギリスをはじめとして、広く英語圏の国々の文学や文化、歴史や社会について比較しながら学びます。物語や映画、アニメや音楽といった多様なメディアを通じて、英語圏の文学文化の多様性と、国際社会と私達との関わりについて、さまざまな角度から批判的に捉えなおす力を身につけたジェネラリストの育成を目指します。
研究テーマ例
- ●Female Tourism in Canada
- ●Frozen: Worldwide Financial Success and a Reflection of Modern Cultural Values
- ●イギリス女性と家庭―『ハリー・ポッター』シリーズにおける理想の女性像
- ●「欧米化」する日本人― 背景に存在する欧米コンプレックス
Pick Up 科目
英語圏の世界文学・文化研究
世界文学研究という観点から、英語圏諸国・地域で生み出された代表的な文学を学び、英語圏文学の多様性を理論的に幅広く理解します。同じく、世界文化研究として、英語圏諸国・地域の文化を学ぶなかで、英語圏文化の多様性についても理解を深めます。
Understanding Film and
Popular Culture
映画をはじめとして、現代文化における音楽、マンガ、テレビ番組、映画、ライトノベル、テレビゲーム、インターネットコンテンツなどを取り上げ、これらの非文字媒体の視覚性に焦点を当てて、その多様性と特質についてディスカッションとプレゼンテーションを通じて学びます。
研究紹介(英米学専攻)
森 有礼教授(言語文化学科 英米学専攻)
出身校:名古屋大学大学院文学研究科
専門分野は、ウィリアム・フォークナーを中心とした20世紀のアメリカ南部小説、20世紀以降の英米児童文学、批評理論、現代表象文化(特にハリウッド映画と日本のアニメ)。常にどんな問題が隠れているかを意識しながら研究対象にアプローチしています。
映像化された作品には、その国独自の文化や、国や時代が内包する問題が描かれている。
『若草物語』という児童小説をご存知ですか。アメリカの女性作家オルコットが、四人姉妹を描いた1868年出版の作品です。幾度も映画化されており、興味深いことに時代ごとに作品の解釈が変わります。元は「淑女」になるのが女性の理想だとされていましたが、時代と共に女性の自立を強く訴える内容になっていきます。時代の変化につれて、作品の捉えられ方も変わるのです。
アニメのなかの「日本らしさ」。
20世紀以降は映画やテレビによる映像化が進んだことで、他国の文学作品は今や文字だけでなく映像で理解できます。一方で映像表現には、その国の文化や社会の特徴がうかがえます。たとえば日本のマンガやアニメには、漫符と呼ばれる特別な記号があります。キャラクターの額に浮かぶ汗や怒りマークは、他国にはない日本特有の心理表現です。それは日本人がどのように心理を表すかを示しているのです。
比較から、問題意識へとつなげる。
大ヒットした大衆向け映画やマンガ、小説にも、ジェンダーや人種、階級などの問題が常に含まれています。それらはメディアミックスされることでしばしば明らかになります。原作と映像作品の比較研究を通じて、人と社会の関係を批判的な視点から追求していきたいと考えます。