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総合政策学部 総合政策学科 学部紹介

教員ピックアップ

視点を変え、意識することで追求すべき問題が見えてくる。

岡本  祥浩 教授

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岡本 祥浩 教授

 学生に対して「何かにぶつかったとき、何が問題かを自分で見つけ、解決の方策を考えられる人になってほしい」という岡本先生。「ちょっと意識を変えれば、今まで見えなかったものが見えてくるはず。その先に、各自が興味をもって取り組める研究テーマがあります」。

 とはいえ、考えた末に行き詰まってしまうことはないだろうか。

 その解決のヒントは、『複合的なものの見方や知識で、政策立案・提言ができる人材を育成する』という総合政策学部の考え方の中にあった。岡本先生は続ける。「自分の専門にとらわれすぎず、幅広い視野から問題を見ることで、解決の糸口がつかめることもあります」。建築、福祉、経済など幅広い学外専門家とのネットワークを持ち、常に現場を飛び回る先生ならではのコメントだ。

 マクロな視点から広域都市計画を研究していた岡本先生は、やがて、徐々に小さな範囲へと視点が移動していった。現在、先生が専門としているのは都市問題および住宅問題。特に最近は居住福祉やホームレス問題の研究に力を注いでいる。

ただ住むのではなく、より良く確かに住まうこと。

 「居住はすべての社会的生活の基礎である」というのが先生の持論。確かに、携帯電話を持つにも、クレジットカードを作るにも、必ず住所記入を求められる。もし何らかの保護を受けようにも、住所がなければ申請すらかなわない。ホームレスになると、必要な社会保護も受けられなくなってしまうということだ。あらためて、住まいが持つ意味の奥深さが見えてくる。

 「居住福祉とは、『住まう』ということをどう考え、どう守っていくかというもの。文化的な暮らしを営むことは憲法で保障されているのですが、実際には非常に脆弱です。わかりやすい例が失業によるホームレス化。物理的な例では、シックハウスや欠陥住宅、高齢化や障害によってそれまで通りに家に住めなくなる可能性もあります。どうしたら『住まう』ことを維持できるのか。より良く住まうには、単に家があるというだけではダメです。なぜなら、社会とのあらゆる接触が、人間らしい住まい方に影響しているのです」。

 例えば高齢者が転居を機に突然、痴呆症状を発症したり寝たきりになることがある。これには、若い人以上に周囲の環境への適応が難しく、近隣社会との接触がなくなることも影響しているからだと考えられている。

これから先、どうなる?日本の住まい事情。

 「グローバリズムが進んだことによる資本・労働力の流動化、製造業からサービス業へのシフトによる雇用ニーズの変化、そして市場本位への政策転換による補助金の削減。これらが相まってホームレスを生み出していくのです。イギリスにおいて顕著に現れたホームレス問題ですが、日本も確実にイギリスの後を追っています」。

 先生によると、社会・経済の構造変化と不況による失業がホームレス問題の一因であることに間違いはないが、それだけが原因ではない。家族関係の希薄化が複雑に絡み合っているという。イギリスにおいては婚外子の割合が増加するなか、16歳までに9人にひとりが家出し、うち1/4がホームレス化しているというデータがある。家族の問題が住まいの問題を複雑にしているのだ。

 日本にも日本ならではの家族と住まいの問題がある。イギリスではカップルが家族の構成単位のベースになっているのに対して、日本では個による構成が増えている点が気になると先生は指摘する。たとえば一人暮らしの老人が増えているという現実だ。「複数人数がいれば助け合えるちょっとしたことも、ひとりだとクリアできない。現に今、厚生労働省のデータによると家庭内事故での死因第一位は溺死ということです。今後、住まうことについて、誰もがもっと意識的に考えていく必要があるのでは。総合政策学部の中ではこのような社会問題を取り上げ、様々な視点からのアプローチをすすめることによって、学生とともに解決の方法を探り、積極的に提言していきたいと考えています」。 人と住まいの問題をリードし続ける先生の活躍に、ますます期待がかかる。